PROFILE
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
BlogPeople
あわせて読みたい


11
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
--
>>
<<
--
絲山秋子『逃亡くそたわけ』
絲山秋子『逃亡くそたわけ』
中央公論社 2005年2月25日発行

躁鬱の“花ちゃん”と鬱病の“なごやん”が精神病院から逃げ出した。
目的地はどこだかわからない。逃げるのに理由なんていらない。
オンボロ車で失踪する暑い九州の夏の物語。


逃亡くそたわけ
逃亡くそたわけ
絲山秋子

方言のパワーって計り知れないと思った小説だった。
主人公の私こと“花ちゃん”は九州に強い誇りを持ち、コテコテの博多弁。
対する“なごやん”は名古屋出身ながら出身地を否定し、東京に強く憧れ徹底的に標準語を話す。
ちょっとした会話も方言VS標準語。だからこそ面白く味がある。

博多の百道にある精神病院から抜け出した2人が進む、
あてのない逃亡の旅。
小さな事件で展開するロードムービー。

精神病に少々興味のある私にとって、
精神病院から抜け出した2人の逃亡劇はかなり面白いものでした。
主人公“花ちゃん”に聞こえる幻聴「亜麻布二十エレは上衣一着に値する」は、相当前になるけれど、小学生のとき少し似た体験をしたことがあるのでなんとなく雰囲気がわかった。
私の場合、それは「声」ではなくて、「音」だったと思う。
耳元で自分をとにかく急かす不思議な感覚だった。
小さい私は「アレ」が来た!と思うのだ。
特に問題のない家庭で育ったし、あれは精神病でもなんでもなかったんだろうけれど、不思議な・・・「羽音」とでもいうのだろうか?
そんなことを、花ちゃんの幻聴を読んで思い出した。
「アレ」はいつしか消えて、今の私には聞こえないけれど。

妙に薬に対してもリアリティがあるなぁと思ったら、
著者も心の病を患ったことがあるようだった。
幸せなことに、私はまだそういった薬に頼ったことはないけれど、
眠剤がなければ眠れなかったり、幻覚を見たり・・・。
つらいことこの上ないだろう。
最近NHKでも良く扱われているため鬱病は目にすることが多いけれど、
躁状態ってこちらも辛そうだ。
常にハイテンションって不自然だもんね。

花ちゃんの心の浮き沈みは常人には時々理解できないところもあるけれど、
その必死さが伝わってきました。
2人の不思議な関係も読んでいて心地よい。

そして、ちょっと面白い九州ガイドブックとしても使える。
“いきなり団子”に対する花ちゃんの熱い思いには笑った。
とても食べたくなってしまった。
2人が感動した阿蘇山の雄大さもこの目で見たくなった。
私は仕事で40日間九州を巡ったことがあったんだけど、
なんせ仕事で行っているし、観光なんかしなかった。
そんな元気も全くなかったし。
花ちゃんの愛する九州の地をもう一度見てみたい気がする。

オススメ度『逃亡くそたわけ』★★★★☆

web拍手 by FC2

| 小説・エッセイ(絲山秋子) | 01:16 | comments(2) | trackbacks(1) | - | - |
九州の片田舎に住む私には、とっても馴染みのある地名が出てきて、それだけでテンションがあがりました(笑)
「いきなり団子」私も好きなんですけど、いまいち評判は宜しくないようなんですよね;;;さつまいもがゴロンと入っている素朴さがいいと思うんですけど・・・。
| すずな | 2007/10/04 9:20 AM |

>すずなさん
わ〜「いきなり団子」の生の声、ありがとうございます!
なんかすっごくうれしいです!
職場の九州出身の人にも聞いたんですが、知らなくて。
さつまいもがゴロン、ですか。
いつか食べたいです♪
| tomekiti | 2007/10/04 8:21 PM |










http://j.pop.lolipop.jp/trackback/496918
逃亡くそたわけ(絲山秋子)
福岡の精神病院を脱走した21歳の花ちゃんと、24歳のなごやん。二人が、なごやんのルーチェ(マツダ車)に乗って博多を出発し、九州を横断して、鹿児島の指宿に到着するまでの、逃走どたばた劇。
| Bookworm | 2007/10/04 9:18 AM |
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK



blogram投票ボタン
フィードメーター - 多趣味が趣味♪



syumi
楽天バナー
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
レンタルサーバーに独自ドメイン
SEARCH THIS SITE.
OTHERS